このページでは、PMDG737NGXのオートパイロットのうち、横方法の操縦をコントロールする「ロールモード」について、概要を解説します。
ロールモードの種類
PMDG737NGXのオートパイロットのロールモードには、以下のような種類があります。
- LNAV
- HDG SEL
- VOR/LOC
以下、それぞれについて概要を解説します。
LNAV
FMCに設定されたアクティブルートを追従するモードで、主にエンルートを飛行中の時に使われているモードです。
積乱雲を避ける目的等で、FMCに設定したルートを外れた場合、アクティブルートから3ノーティカルマイル以内であれば、機首がどの方向を向いていても、LNAVのエンゲージが可能です。
もし、3ノーティカルマイルを超えてアクティブルートから外れた場合、LNAVをエンゲージするためには、機首の偏差がFMCのコースから90度以下である必要があります。
LNAVモードで飛行している場合、MCPにある「BANK ANGLE SELECTOR」の設定は無視されます。

LNAVモードのバンク・アングルのリミットは、対地高度が200フィートまでは8度、200フィート以上では30度になります。
LNAVは、以下の理由で自動的に解除されます。
- アクティブルートの終端に到達したとき。
- ルートの不連続(Discontinuity)に到達したとき。
- 選択したアプローチモードが有効になったとき(例えば「VOR/LOC」をARMしていてローカライザーをインターセプトしたら、LNAVは解除される)。
- 「HDG SEL」モードを選択したとき。
- コースを見失ったとき。
HDG SEL

「HDG SEL」モードは、管制官から指示される方位に飛行する時などに使用するモードで、主に離陸~クライム中や降下~アプローチ中に使われるモードです。
MCPに設定されているHEADINGに向けて飛行するようにロールがコントロールされます。
当サイトのRJTT→RJOOのチュートリアルフライトでは、最初から最後まで「LNAV」を使用していますが(着陸を除いて)、実際には離陸中とアプローチ中は、飛行方位の管制を受けますので、「HDG SEL」モードを使用します。
ロールのバンク・アングルは、「BANK ANGLE SELECTOR」で設定した角度がリミットになります。
HDG SELは、以下の理由で自動的に解除されます。
- 選択したアプローチモードが有効になったとき。
- 「LNAV」モードを選択したとき。
VOR/LOC

「VOR/LOC」モードは、現在ではアプローチ中にローカライザーを追従するために使用されるケースが多いと思います。
VORのラジアルを追従する飛行を行う時にも使用されるモードですが、現在ラインでは「LNAV」を使用することがほとんどで、巡航中に「VOR/LOC」モードが選択されることはほとんど無いんじゃないでしょうか。
Course Selector
VOR/LOCモードで使用するコースを設定するセレクターで、MCP上に2つあります。
キャプテン側のCourseセレクターは、「No.1 VHFレシーバー」に設定したVORからのコース・ラジアルを設定します。
ファースト・オフィサー側のCourseセレクターは、「No.2 VHFレシーバー」に設定したVORからのコース・ラジアルを設定します。
キャプテン側の設定で「VOR/LOC」モードで飛行したいときは、オートパイロットA(CMD A)を使用し、ファースト・オフィサー側の設定で飛行したいときは、オートパイロットB(CMD B)を使用します。
下のキャプチャーは、「HME」VORの「029度」ラジアルに乗って、「VOR/LOC」モードで飛行しているサンプルです。


ロールモードの表示
PFDのFMA(Flight Mode Annunciator)に表示されます。

現在有効になっているロールモードは緑色で表示され、スタンバイになっているモードは白色で表示されます。モードに変更があると、10秒間上のキャプチャーのように「枠」が表示されます。
オートパイロット・ロールモードの概要解説は以上です。