このページでは、エンジンスタートを実施します。
「MFD」の「ENG」ボタンをPUSHし、現在下側のDUに表示されているエンジンの情報を、上側のDUに表示させます。


エアコンのために使用していたAPUからの圧縮空気をエンジン始動のために使用するため、エアコンの「PACK」スイッチをOFFにします。機内ではエアコンの音が静かになります。

キーボードの「F1」キーを押して、スラストを完全に閉じます。ジョイスティックのスロットルには遊びがあることが多いので、キーボードを使用します。
最初に右側のNo.2エンジンをスタートします。その理由には2つあります。
- APUは左側のタンクの燃料を使用しているため、既に左右のタンクにアンバランスが生じています。右側のエンジンから始動することで、そのアンバランスに対応します。
- 乗り遅れた乗客が、左側のドアを使用して乗り込むことができるようにするため。
No.2エンジンのスタートセレクターを「GND」ポジションにします。

N2の回転数の上昇を確認します。

N1の回転数も上昇していきます。
N2が、25%に達したら、No.2エンジンのスタートレバーを「IDLE」ポジションにアップします。燃料がエンジンに送り込まれ、点火します。

N2が56%あたりに到達すると、エンジンのスタートセレクターが「OFF」の位置に自動的に戻ります。(「カチッ」という音が聞こえます)。
エンジンの各パラメーターをモニタリングします。N1が20%程度、N2が60%程度、EGT(排気温度)が380度程度で安定します。

No.1エンジンも同様にスタートします。

以上でエンジンスタートは完了です。
エンジン始動のために「OFF」にした「PACK」スイッチは、次の「タキシング」のページで元に戻します。
【ジェットエンジンの「N1」「N2」について】
現在、旅客機には「ターボファンエンジン」と呼ばれる種類のジェットエンジンが多く使用されており、B737NGシリーズも同様です。
ターボファンエンジンの燃焼過程は、大まかに、
- 低圧コンプレッサー
- 高圧コンプレッサー
- 燃焼室
- 高圧タービン
- 低圧タービン
- 排気
となっています。コンプレッサーとタービンは、燃焼室を挟んで回転軸でつながっています。
- 「N1」は、上記のうち「低圧コンプレッサー」と「低圧タービン」の回転数(率)を示す値です。
- 「N2」は、上記のうち「高圧コンプレッサー」と「高圧タービン」の回転数(率)を示す値です。
航空機のエンジンを正面から見ると、沢山の大きな羽(ブレード)が見えますが、あれは「低圧コンプレッサー」の一部です。