このページでは、FMCに飛行パフォーマンス・データの設定を行います。
燃料の搭載について
PMDG737NGXの付属マニュアル「Tutorial-2.pdf」では、このパートで「今まで燃料の搭載を行っていない理由」が解説されています。
【今まで燃料の搭載を行っていない理由(PMDG737NGXの付属マニュアル「Tutorial-2.pdf」より)】
今まで燃料のロードを行っていなかったことについて、不思議に思うかもしれません。
その理由は、これからFMCの機能自体を利用して、燃料のロードを行うからです。
実機では、ディスパッチャーが、航空機の性能を元にした非常に洗練されたソフトウェアを使って燃料計算を行います。ボーイング社製の「Flight Planning & Performance Manual」に、そのデータが記述されており、そのデータは「PMDG737NGX」の開発に利用されています。しかし、PMDG737NGXの製品に、上記マニュアルを含めることは許されませんでした。その理由から、燃料計画を行うための次善の策として、FMCのデータを利用して燃料計算を行うようにします。
というわけで、燃料計画と燃料搭載は、次のページで行います。
自分のPMDGの重量単位は「lbs」なのか「kg」なのか
当パートの解説を開始する前に、「PMDG737NGXの重量の表示単位の確認」をします。
PMDG737NGXは重量の表示単位を、「lbs」(ポンド)か「kg」(キログラム)かを選択できます。上部NDエンジン表示の右下に、現在の燃料搭載量が表示されています。そこに「lbs」なのか「kg」なのか表示されています。

上のキャプチャーの例では、「kg」表示されていますので、重量の表示単位は「キログラム」です。
表示重量単位の切り替え
上図のように、現在は「kg」で表示されていますが、このチュートリアルでは、重量単位は「lbs」で説明していきます。同様に「kg」で表示されている場合は、以下の手順で「lbs」に切り替えてください。
- 【MENU】ボタンをPUSH
- 【SETUP】(LSK 4R)をPUSH
- 【AIRCRAFT】(LSK 1L)をPUSH
- 【DISPLAYS】(LSK 2L)をPUSH
- 【NEXT PAGE】ボタンで、9ページ目を表示させてください(全部で9ページあります)
- 【WEIGHT UNITS】という表示がLSK 3Lの位置にあります。現在「KGS」が選択されていると思いますので、LSK 3LをPUSHして、【LBS】を選択してください。
上記の操作で、表示単位が「LB」に切り替わります。(lbsは、lbの複数形です。)

PERF INIT
前置きが長くなってしまいましたが、これからFMCに飛行パフォーマンスに関する設定を行っていきます。
【INIT REF】ボタンをPUSHしてください。「PERF INIT」ページが表示されます。

ZFWを入力します。 ZFWとは「Zero Fuel Weight」のことで、燃料を搭載していない状態の航空機の重量です。
ZFWは以下の方法で簡単に入力できます。
LSK 3LをPUSHしてください。LSK 3Lには、何も表示されていませんが(「□」がいくつか表示されている状態)、「LSK 3L」をPUSHすると、スクラッチパッドに、ZFWの数値が表示されます。

上のキャプチャーでは、「121.8」が表示されています。これがZFWの値です(121,800lbs)。
LSK 3Lをもう一度PUSHしてください。すると、スクラッチパッドに表示されたZFWが、ZFWの入力域にセットされます。これでZFWのセットは完了です。

ZFWの値は、後ほど「降下準備」で使用するので、控えておいてください。
上部エンジンDUの最上部に、「TO」と表示されていることを確認してください。

予備燃料の設定をします。
LSK 4LのFuel RESERVESに「5.0」を入力してください。 CDUのキーボードからは、「05.0」と入力します。

「5.0」は「5,000(lbs)」です。『予備燃料として5,000(lbs)を設定する』という意味になります。
ここで入力した値は、次のページで実施する「燃料計画」で、詳しい予備燃料を計算した後、変更します。
COST INDEXの設定をします。設定値は「25」です。
COST INDEXは、FMCがクライム・クルーズ・ディセントのスピードを決定するための、影響力の強いパラメータです。
「0」から「500」まで範囲が設定可能で、値が小さい程、速度を犠牲にして飛行コストを下げるように働きます。
多くの航空会社は「20~40」を設定しており、「25」が一般的な値となっていますので、ここでも「25」を入力します。

COST INDEXを入力すると、LSK 1Rに「FL259」と自動で表示されました(上のキャプチャーの右上に表示されています)。自動表示されたフライトレベルは、入力された値を元に計算された、飛行コストが最低となるフライトレベルです。
今回は、FL240で飛行したいと思いますので設定します。
FL240をLSK 1Rにセットしてください。CDUのキーボードから「240」と入力すれば、「FL240」になります。

風を設定します。今回は無風の状態を想定して飛びますので「360/0」をLSK 2Rにセットしてください。

日本のTRANSITION ALTITUDEである「14000」を、「TRANS ALT」にセットしてください。

内容の確認と確定
PERF INITページの内容を確認し、OKであれば、【EXEC】ボタンをPUSHして、確定させます。

これで、「PERF INIT」ページの設定は完了です。
次のページでは、燃料計画と燃料搭載を行います。